解決事例

【面会交流】2年のブランクを経て、拒む元夫から面会交流を勝ち取った事例

事案

依頼者は元夫と結婚し一子を出産。一時は平穏に過ごしていたが、元夫との関係が悪化し、結果依頼者がうつ状態に陥ったため別居を選択。子の監護は元夫に任せざるを得なくなり、その後親権を元夫に譲るかたちで離婚。離婚後は子との面会交流を頻回行っていた。しかし、元夫が自らの再婚をきっかけに一方的に交流を拒否したため、約2年に渡り面会交流できない日が続いた。
その後、依頼者は意を決して調停で争い、無事に面会交流を勝ち取ることに成功。子が新たな家庭環境にあっても、実の親との面会の重要性が問題となった事案です。

結果

今回は元々依頼者本人が元夫に対して調停を行っていたものですが、面会交流を執拗に拒んだため、調停が不成立に終わっていました。私はその審判事件から受任し、依頼者と元夫・再婚相手との間で、年8回の面会交流を認める和解が成立しました。

ポイント

惜しまれた2年の“交流ブランク”

当初は面会交流に応じていた元夫でしたが、再婚相手が見つかるや態度が急変。ついには子に対し、依頼者との面会交流を妨害したあげく、最終的には会わせないと拒絶。その後、依頼者は思い悩み、調停を申し立てるまでに約2年の歳月が経過してしまいました。

ここで重要なことは、面会交流を相当期間見送ってしまっていた事実です。すなわち、その間に起こりうる子の生活環境の変化(学業、塾や部活動など)や、新たな親や家族と過ごす時間を考慮すべきという観点からは、従前どおりの頻回に渡る面会交流の実現が難しくなってしまうのです。子と新たな家族のスケジュール、環境等を考慮し、実施が年8回にとどまったのはそのためです。面会交流を頻回に渡って継続するためには、ブランクを作らないことが何よりも重要です。

調査官調査で子の心情が明らかに

本件では、家庭裁判所嘱託の調査官により、子と面談のうえで詳細な調査が行われました。
そのなかで、子は依頼者に「会いたい」と述べたものの、その後の再聴取の際には「会いたくない」と翻意しました。しかしここで、調査官はその真意につき、新しい家族に気遣ってのものであり、彼らに促された結果の回答であると認定しました。面会交流調停では、両親の現在の事情はもちろんですが、最も重視されるのは子の心情と言っても過言ではありません。子が実の母に会いたがっている判定事実は、最終的に面会交流を勝ち取る大きな原動力になりました。

裁判所が実親の交流の必要性ありと判断

さらに今回の案件では、過去の判例を挙げ、成長過程にある子の育成には、たとえ非看護親でも実の親が会うことの重要性も併せて主張しました。その判例の要点は次のとおりです。

・早期より未成年者に真実の親子関係を教えることが、長い目で見れば家族関係の安定につながると考えられること。
・非監護親と定期的な交流機会を持つことで、未成年者は自尊心を高め、その健全な成長促進が期待できること。
・たとえ未成年者に一時的な混乱はあっても、幼い時期から実親との良好な関係を築かせることは欠かせられないと考えられ、面会交流を禁止することは相当でない。

審判事件を扱った裁判所においても、実親との面会交流の重要性が支持され、元夫に対して面会交流を認めるよう強い和解勧告が行われました。

事件後記

依頼者にとって、2年に及ぶ交流ブランクは、実は子の幸せについて真摯に悩んだ葛藤の期間でもあったといいます。専門家としては歯痒い思いもある一方、同じ親として子のことを真剣に考える気持ちは十分に理解できます。

審判中から再開された面会交流では、子は嬉しそうな笑顔を見せ、至極普通に話しかけてくれたばかりか「今の家族も好きだし、お母さんも大好き」と言ってくれたそうです。再開を待ち望んでいたのは子も一緒だった! 再開はまさに、依頼者のこれまでの苦労がすべて報われた瞬間でした。
もちろん、生活環境の変化や再婚などの事情で介入する関係者も変わってきますから大変さもあるでしょう。しかしそんな何よりも、会い続けることの重要性を改めて嚙みしめた事案でした。


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