解決事例

<婚姻費用>別居中の妻が病気に…治療費の一部を夫側に負担させた事例

事案

ご相談いただいたF子さんは夫との別居中に病気になり、高額な治療費を要する事態になったことから夫へ「婚姻費用」として、治療費の一部の負担を求めた事案。

結果

調停において治療費だけでなく、その他治療に関連する費用を含めて大半を夫が負担することで合意。最終治療日から4か月での早期解決となりました。

ポイント

高額療養費制度の払戻金を正確に算定

夫は妻への扶養義務を負うため、別居中であっても、普段の生活費だけでなく、治療費や教育費等、やむを得ない特別の費用がかかった場合には、妻は夫に「婚姻費用」として請求することができます。
そして通常請求する場合、まず領収書をもとに妻が負担した治療代を計算しますが、今回の問題は、その治療費が「高額療養費制度の対象」となったことでした。 高額療養費制度とは、高額な治療費を払ったときでも上限を設けて負担を抑えてくれる制度で、一部医療費が自己負担限度額を超えた場合には、超えた分が払い戻されます。つまり、将来的に一部が払い戻されるため、単にこれまで支払った金額を足しただけでは、正確に妻が負担する治療費が算出できないのです。
ただ、払戻金は各治療月ごとに算定され、半年以上先に支払われるため、払い戻しを待ってから、夫に負担を求めるという手順では、夫へ請求は治療終了から早くとも半年先になってしまう可能性がありました。
そこで、治療したすべての領収書を元に高額療養費制度による払い戻し金を算出し、既に妻が支払った金額から差し引くことで妻の負担分を1円単位まで正確に計上しました。これが最も骨が折れる作業でしたが全て正確に算定して話し合いに臨んだことが早期解 決の決め手となりました。

治療費以外の支出の請求

病気の治療には主たる治療や投薬だけでなく、その他様々な費用がかかります。
例えばウィッグや再建手術、義手・義足など、直接の治療ではないけれど、病気により失われた機能や部位の成型、または機能を保全・補完するためににかかる費用のことです。
本件でも同じような費用が発生しており、この負担については当初、夫は争う姿勢を示してきました。しかし結果的に調停では、補完費用の細部まで医療費の一環として取り扱ってもらえることになりました。

事件後記

通常の婚姻費用のほか、妻が負担した医療費の多くを収入が多い夫が負担する結果となり、依頼人とふたり手を取り合った事例でした。依頼者のF子さんはまたお若いにもかかわらず、離婚や調停だけでなく自身の治療状況を報告してくださるなど、それは終始冷静に対応してくださり、本当に頑張って頂きました。



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