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子供を引き取って育てたい!知っておきたい「親権」のこと

親権ってなに?

子供のいる夫婦が離婚するときに、まず最初に考えなければいけないこと。
それは、「どちらが子供を引き取って育てるか」ということですよね。
法律的には「親権」の問題になります。

ではまず「親権」についてみていきましょう。

親権について

「親権」とは、未成年の子を監護・教育し、またその財産を管理するための権利や義務のことをいいます。(民法820条) 少し難しい言葉にはなりますが、親権の中で、子供を育てる権利のことを「身上監護権」、子供の財産を管理することを「財産管理権」といい、親権は大きく分けてこの2つの権利から成り立っています。

身上監護権
親が子と一緒に暮らし、教育や躾(しつけ)のほか、子の身の回りの世話を行う権利のことをいいます。普通は親権といえば、こちらをイメージすることが多いと思います。身上監護権を持つ親は、相手に養育費を請求できます。

財産管理権
子が所有する財産を管理し、その財産の運用や処分に関する法律行為を親が代理で行う権利です。例えば子の名義の預貯金の管理や、子が交通事故に遭い、損害賠償請求を行う際には、この財産管理権に基づき親が子の代理人となって手続きを進めます。

 

離婚するときに親権を決めるの?

結婚している間に生まれた子の親権は、本来両方の親が持っているのですが、日本では、離婚する場合「単独親権」といって、どちらかしか親権を持つことができないのです。そして、親権を決めることが離婚の条件になっているので、離婚をする際には親権を決める必要があるのです。

では次に「親権の決め方」についてみていきましょう。

親権ってどうやって決めるの?

まずは話し合い

まずは話し合いが原則です。
日本の離婚の約9割がお互いの話し合いによる離婚(協議離婚)と言われていますが、どちらが親権を持つのか、つまり実際にどちらが子と同居して育てていくのかを話し合いで決めるケースがほとんどです。
話し合いで決まれば、その旨を離婚届に記入して市区町村役場に提出すればOKです。

次に離婚調停での話し合い

話し合いで決められればスムーズですが、話し合いができない場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立て、離婚や親権の話し合いを行うことができます。調停では夫婦の間に調停委員が入り、円滑な話し合いの手助けをしてくれます。

最後に離婚訴訟

もし調停で話し合いがつかなかった場合は、次のステップです。家庭裁判所で裁判をすることになります。ここでは離婚と同時にどちらが親権を持つことができるかを争い、裁判所に判断をゆだねます。

ただし、裁判所としても夫婦の問題は話し合いで解決することが望ましいと考えているため、多くのケースで裁判官より話し合いによる解決を持ちかけられます。このように、裁判の場面でも和解によって解決することがありますので、すべての裁判で判決になっているわけではありません。

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では、裁判所が親権を決める場合、どんなことを重視しているのでしょうか?

裁判所の判断基準ってどんな内容?

離婚や親権が夫婦の話し合いで決まる場合は問題になりませんので、ここでの判断基準というのは、とくに離婚訴訟で争う場合に家庭裁判所が用いる判断基準を指します。
家庭裁判所は当事者の審理を行い、公平・公正の見地から、より実情にかなった判断を行わねばならず、その基準は多岐に渡ります。具体的には、現在の親の状況、子の状況、離婚前から現在に至るまでの監護状況などから結論を導くことになります。

親の状況

①経済面
現在の収入で子を監護できる状況にあるかどうか、親の経済力を審理します。
ただしこれは、親(子の祖父母)の援助や公的支援も含めて検討されるため、収入が相手より低いだけで直ちに不利にはなりません。なぜなら、収入があるに越したことはないですが、子と過ごす時間は他の何にも代えがたい重要な要素だからです。たとえ高収入でも子との時間が取れないよりは、一定の生活水準が保てるなら、子との時間を作れるほうが子にとってより望ましいと評価される傾向にあります。そのため、経済力は一定以上が保たれていれば、さほど問題にはなりません。

②健康面 
年齢や体調等を考慮し、子を監護できる状況にあるかについてです。

③生活面  
子と過ごす時間を作れるのか、子とのかかわり方も重視されます。親の両親など、周囲に子の世話をできる人がどれだけいるか。あるいはまた、親の居住環境がはたして子の監護にふさわしいかどうか、ということも審理対象となります。

子の状況

①健康や年齢
現在どのような健康状態で、どのような監護を必要としているかを審理します。乳幼児など子が幼い場合は、親権は母親が優先されやすい側面もあります。

②生活状況
通っている学校や幼稚園などの環境面を検討します。引っ越しやそれに伴う転校をしないで済むほうが、子への精神的負担は少ないと考えられます。なお、すでに別居して一定期間新たな生活をしている場合には、その生活状況が勘案されます。

③子の意向
子が15歳以上の場合は、どちらの親との生活を希望するかということは特に重視されます 。仮に15歳未満でも、子が自分の意思をはっきりと示せる場合は、裁判所の判断に大きな影響力を持つと考えられています。

④兄弟姉妹の有無 
兄弟姉妹がいる場合は、当然に全員についての親権が審理されます。原則的に離れ離れにしないようにする考え方が一般的です。

従前の監護状況  

離婚又は別居に至るまでに、それぞれの親がどのような子育てを行ってきたかということも評価します。例えば、一方の親のほうが子との時間や子育てへの関与が多かった場合は、子の成長や精神的安定を考慮し、今後もその親と生活すべきと判断されやすい傾向にあります。

現在の監護状況

すでに両親が別居している場合には、現在どのような監護状況にあるかも同様です。子の状況②でもふれたとおり、別居から一定期間が経過しているような場合には、あえて子の生活環境を変更させる必要があるのかどうかや、その悪影響を考慮し、現状の暮らしや現在面倒を見ている親が優先されることもあります。両親の親(子の祖父母)などの監護補助者がいるかどうかもポイントです。

今後の養育方針

裁判所は親権者の子に対する今後の養育方針も重視します。とくに子が15歳以上の場合には、子の意思や希望も尊重したうえで判断を行います。

家庭裁判所はこのような判断基準に基づき、総合的に審理・検討をしたうえで、どちらの親が親権を持つのにふさわしいかを決定します。

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離婚原因は親権に影響しますか?

よく受ける質問です。
もちろん離婚原因が子の生活や成長に大きく影響するような、DVなどの暴力・暴言だった場合は、当然ながら親権の判断に影響を与えることは言うまでもありません。しかし、例えば夫婦の一方の浮気が原因で離婚した場合でも、浮気の結果として子を放置し監護を行わない場合や、子を虐待するような場合は別として、通常通り子育てを行い、親子関係に支障がない事例では、離婚原因は親権の判断に影響を与えません。
裁判所に親権を認めてほしい場合には夫婦関係での過ちはいったん忘れ、子への愛情や親権が自分にふさわしい理由を主張して根気よく話し合うことが重要です。

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親権は母親が強いって本当?

確かに、2014(平成27)年の調査では、親権を認められた親の9割が母親であるとするデータがあります。
この結果は、やはり育児において、父親が子と接する時間が、母親に比べて圧倒的に低いという現状が存在するということを表していると考えます。子育ては母親の役目という考えがまだまだ根強い日本では、父親の育児に関われる時間が短いのが現状です。そこで離婚となると、子を一人で育てなければならない負担を考えて親権を諦めたり、逆に獲得を争っても負けてしまうケースが多いのだと思います。
その一方で、時代とともに家族のあり方も変わっていますから、ご家庭によっては母親が必ずしも有利とは言い切れなくなってきていることも事実です。

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ご相談ください

離婚は子供のこと、お金のこと、決めることが多すぎて、「パワー」が必要です。
一人で悩まずまずはどんなことができるのか、どんなことを決めるべきか、相談することをお勧めします。

離婚にあたって親権を確実に取得したい、あるいは相手に親権を争われないか不安、離婚を考えている方、離婚したいけれども相手方が応じないなど、どのように進めればいいのかわからない方、離婚や親権について詳しく知りたい方は是非当事務所までご相談ください。

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弁護士一津屋香織(ひとつやかおり) 天神法律税務事務所
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